絵を描くから悩む

地震被害に見舞われている鳥取県の倉吉市で一度絵を展示したことがある。「菅楯彦大賞展」という展覧会で学校の先生が「あなた出しなさい」と一応推薦されたという形で出品したのだった。「現代の風俗を描く」というテーマが設定されていてそれに基づいて描くというものだった。

私は「手紙を出しに」というタイトルの絵を描いた。賞なんて取れるわけもなくただ展示してもらっただけだけど、あとから図録を見た人からいい絵だったよという言葉ももらった。

数年前までその100号の絵は物置にあったけど、両親からいつまで取っておくのか、まだ大作を描くのかと言われて自分の制作について見直し、大きい絵は捨てることにした。だからその絵は今はもうない。

今年の春にイラストで描き直してみたのがこの絵。

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岩絵具やアクリル絵の具で具体的なモチーフのある絵を描きたいという気持ちは1ミリもない。絵画を描くなら抽象画だと思っている。でもそういうふうに決めてしまったらこういう私のポエジーは表現されずになくなってしまう。それも実は耐えられないと思っている。

学生時代かっこいい日本画を描いていたRは絵画を捨てイラストで収入を得るまでになった。Kはそれまで描いていた抽象と具象のはざまを自由闊達に行き来するような絵を捨て御蔵島に移住し御蔵島をモチーフに具象絵画を描いている。

みんなそれぞれ何か選んでいる。私だけ決められない。

前回の個展は表現がばらばらだった。ドローイングあり、水彩画あり、銅版画あり、ペン画あり、アクリル画あり。材料ごとに作風も違う。あれからずいぶん経ったけれどまだどうしていいかわからない。

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私のばらばらな心のありようを描いてみた絵。「冬の木が見る春の夢」。私はどこへ行けばいいんだろう。


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by yab1610 | 2016-11-20 13:21 | 考えたこと | Comments(0)

横浜のまちの片隅の日常のあれこれ


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